いつわりツインズ【短編】


瞬間、顔が赤く染まるのがわかる。


けれど、ここで逃げていたら前と変わらない。


私は、綿谷 紗帆として。

あなたに、伝えたいことがあるの。


「すき、です…。

ずっと、前から。尾野くんしか、見えてないの…。」


空気がピーンと張り詰めた音がするくらいの緊張感。


1歩、彼が私の方に距離を詰めて。

私は体を硬くした。

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