いつわりツインズ【短編】
「情けないこと、言ってもいい?
…本当は、初めて見た時…あの話をした時から綿谷さんのことが好きだった。
けど、近づけなくて。
だからこのあいだの保健室のこと、チャンスだと思ったんだ。
言った言葉に嘘はないけど、つけ込んでごめん。」
言いながら、どんどん言葉が弱くなっていく尾野くんにクスリと笑って。
けれど尾野くんはそんな私を見て、不服そうに顔を膨らませた。
そんな姿も、愛おしいよ。