桜の城のノクターン


こじんまりとしているが、ジャラジャラした感じはなく、むしろ実用的でシンプルな品揃えの店だった。



年頃の女性が身につけるにはシンプルすぎるようなものばかりだとリズは思ったが、フェニルにはそんなことは関係がないようで、キョロキョロと店内を見回している。




「よろしければご試着してみますか?」



あまりにも真剣に眺めていたフェニルに、若い店員は微笑みかけた。


< 130 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop