桜の城のノクターン
「な、何を謝っておられるのですか!?アロン大尉ともあろうお方が、そんな若造に!!」
未だに理解し切れていない若者。
それに対しアロン大尉も負けていない。
「何を言っているお前は!!この方はなっ・・・!!」
スッとアロン大尉の言葉を遮るように手をかざす。
「アロン大尉、それ以上は」
「そ、そうですな。とにかく、これ以上は詮索はしないことだ。この方の身の上は私が保証する。各自持ち場に戻れ!このような時間にまで盗賊に暴れられてしまっては、警邏隊の面目丸つぶれだ!!些細な変化も見逃さぬように!以上!」
口を挟む隙も与えず、事を治めてしまう。
若者は渋々アロン大尉の言葉に従って現場を後にした。