桜の城のノクターン
大事な話、と聞いてフェニルは顔をあげた。
何事だろう?
もしかして、さっき見つめていたのがバレちゃったのかしら・・・?
少し顔を赤らめながらも手綱を握るリズを見る。
「なんでしょうか?」
緊張気味な声色で応える。
「今日・・・特に今夜のことについて何だが・・・」
話し始めてもなお、決心が鈍る。
その言葉に、フェニルの心は跳ね上がる。
「な、何のことなんでしょう?」
しばし沈黙が流れる。
それが余計にフェニルの心臓をドキドキさせる。