桜の城のノクターン
「こんばんは、今日はお世話になるね」
優しい笑顔を向けられとっさに言葉が浮かばなかった。
何年ぶりのことだろう。
他人に優しさを向けられたのは…。
「い、いらっしゃいませっ。ようこそモンテペール城へ。何もご用意することはできませんが、ごゆるりとお寛ぎ下さいませ」
ようやくそう伝えることが出来た少女に女主人がわめき散らす。
「まぁ!こんなところにホコリが!なんてこと!?」
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