桜の城のノクターン
「そ、そのようなこと、使用人がすべきことですわ。シュトラール様がお手を汚すようなことではありませんわっ」
慌てふためく女主人。
「そ、そうです。私の仕事ですから」
「いえ、お構い無く。これくらいでしたら私にも出来ますから。あなたは掃除の方をどうぞ」
テキバキと片づけられていく破片。
そんなシュトラールに呆れたのか、女主人が言い放つ。
「ご夕食は八時からですのでお遅れにならないよう、お気を付けくださいませっ。私は所用がございましてご一緒はできませんのでっ」
そう言うと、カツカツと下品な音をたてて、自室ヘと戻っていった。