君は僕のもの 【続】
「クリスマスにこの遊園地の観覧車の一番上のところで、
その…好きな人と…アレ…すると、その、ずっと…一緒に…」
自分から言い出した癖に顔を赤らめて、
“その”とかばっかを言いまくって、それ以上を口にすることを躊躇っている。
でもまぁ…
その手のパターンは大概、想像出来るもので。
愛梨が言う“アレ”とは、
多分。
「キス?」
読んでいた本にしおりを挟み、
そう小さくも大きくもない声で呆れたように言う。
「…なっ!……何で?どうして分かったの!?」
これ、本気で言ってるのかな…
いや違うね。
「お決まりだよね、それ」
と、苦笑い。
「…じゃ、じゃぁ!!」
「キスはいいけど…何で遊園地?観覧車?クリスマス?」
言うと、ムッとしたように口を膨らませる。
「樹は…本当に乙女心を分かってない…っ!」
と、この俺に乙女心とやらの意味不明なことを言い出す。