君は僕のもの 【続】




大体そんな訳の分からないものを理解するぐらいなら、…って思う。


「何その意味分かんないやつ」

持っていた本というか小説を机の上に置いてから、カーペットの上で膝を立てたまま雑誌をひたすらギュッと抱きしめている愛梨を見下ろす。


ジーッと目を見つめて顔を覗きこむ。

すると分かりやすい反応をするから…本当、面白い。


「だから…乙女、心……だよ、」

プイッと俺とは違う方向に顔を背けて、その頬はほんのりと赤みを帯びている。


乙女心って何?

乙女の心?…え、つまり何?


疑問を浮かべれば更に疑問は浮かんでくる。


「こ…!これ見てよぉ!!」

少しまだ赤い顔を悟られないようにか少し俯き加減の愛梨の胸の中に納められていた雑誌をバッと俺の目の前に突き付けると、

『クリスマス特集~大好きな彼と甘い夜を~』

と。

この俺には考えられないような世界が全面的にクローズアップされていて軽く目を見開く。


「見た」

「違う!ちゃんと見てよぉ!!」


そう言って愛梨は『その2』の所を指差す。

ていうか何コレ、掟みたいなものがあるわけ?…わけ分かんない。


とか思いつつもその指差す場所の文字を読んでみると、そこにはさっき愛梨が言っていた“遊園地”について書かれていた。

え、こういうのって本当にあるんだ…と少しだけ関心。


けど何だか俺にとっては他人事に様な気がしてならない。


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