君は僕のもの 【続】
「…愛梨、」
「話さない!」
いや、話してると思うよ。
ていうかクリスマスのことを考えるのはいいんだけど…
「その前にお前はやること、あるんじゃないの?」
俺がそう言うとベッドに出来た大きな山からガバッと勢い良く愛梨が飛び出してきた。
案外そこまで機嫌を損ねてた訳じゃないんじゃん。
と、思ったり。
「…やること、って?」
気のせいだろうか、若干コイツの目が嬉しそうに見えるのは。
もしかしたら俺がこの訳の分からない愛梨のクリスマス企画に賛同するとでも思ってる…とか?
違うからね、
「テスト、期末」
瞬間、あんぐり口を開けてその3秒後くらいに口元を手で覆って、どうやらとてつもなく驚きと衝撃を受けたらしい。
この分だと…すっかり忘れてたんだろな。
どうしてこう、物事を計画的にこなせないものか…
「…そっか、え!?もしかして今ってテスト期間!?!?」
今度はベッドから降りて俺の上に乗っかる。
いつもと逆の体勢に少し変な感じ。
「ん、そう」
すると更に両手で顔を覆って、どんどん青ざめていく愛梨の顔。
何か面白い。
そしてこの日から、
馬鹿な愛梨の為のテスト勉強が始まったわけで。