君は僕のもの 【続】

乙女心が分かる時

…樹side




愛梨に付き合わされて変なのにばっか乗らされて…頭の中も腹ん中もグルグル。

下手したらそのまま倒れそうな勢いだった。


さりげなく“遊園地”ってものに来るのは、初めてだったような気もする。

だけどきっと一度くらいは有りそうだけど…
多分、小さい頃で、覚えてないのかもしれない。という結論。


するとコイツは幼稚園児みたいなニコニコの笑顔を俺に向けて、

「好き!
…あっ、そう言えばお母さんが今日、何か美味しい物作っとくって言ってた」

と言った。


もちろんポップコーンをパクパク食いながら。


別に愛梨は太ってる訳じゃない。

多分、食べてもそこまで太らない体質なんだと思うけど、本人は結構…体型のことは気にしてるみたい。

まずいつも一緒にいる早川が痩せ過ぎなことに、
そもそもの問題はあるんじゃないかと俺は思うんだけどね。


ていうかその前に…

「俺そんなの聞いてない」

「だって…言ってなかったもん」


普通は言うと思う。

前もって、ね。普通の人間なら。


「あっそ」

どっか連れてってあげようかな、とか考えてたからちょっと俺の心の狭さがジワジワと、

だけどこれくらいのことでキレる気はないし。


そもそも、俺はそこまで心が狭いってわけでもない。

…言ってることが違うけど。


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