君は僕のもの 【続】
でも変なところ前向きだったりするから…
いまいち分かりにくい、といか分からないわけで。
すると俺の顔をジッと見つめて、だけど目が合えば逸らして、
「…あ、あれっ」
その細く長い指の向く先を見る。
あ、なるほど…
「キスしたいの?」
「ち…っ?!…違うよ!!!」
少しニヤリと笑って言ってみる。
案の定、愛梨の顔は一気に赤くなって、逸らしてた筈の目はちゃんと俺を見ていた。
「何だっけ、あれ」
「…あれ?」
「そうあれ」
「あれ?」
「うん」
全く会話にならない会話。
何だっけ…あの、愛梨が何回も俺に行ってきたやつ。
あ、
「…乙女心、だっけ?」
俺がそういうと少し驚いた顔をして、
「覚えててくれたの!?」
とさっきまでの困った顔とか、赤く染まった照れてる顔とは違う。
嬉しそうな驚いたような顔をした。