君は僕のもの 【続】




「うん」


あんだけ言ってたんだから…

普通なら忘れないと思うんだけどね、俺は。


するとさっきよりも、もっと嬉しそうな顔を俺に向けて笑う。

「行くんでしょ?観覧車だっけ…」

暇を持て余してる愛梨の左手を取るとそのまま絡めて、その愛梨の“乙女心”ってやつを叶える為に歩を進めた。

隣では嬉しそうに顔を緩ませる愛梨。


「ありがとう…」

小さく俯きながら伏し目がちな瞳でそう言うと、

それに対して俺も、

「別に」

と一言で片づけた。


クリスマスだから出掛けるんだとか…

翔太とか見てて、どうしてそんな訳の分からない無意味なことをしようとするんだとか思ってたけど、

こういうことなのかもね。


“乙女心”っていうのは分かんないし、だって俺、男だし。


だけどそういう…

愛梨のしたいこと、そういう色んなことを俺はやってあげたい。


今は何か分かんないけど、そんな気分な気がする。


「…あっ、空いてる!」

目の前には大きな観覧車。


色んな色でライトアップされてて綺麗…?なのかもしれない。


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