君は僕のもの 【続】
「わー、綺麗!!すごいっ!すごいー!!」
嬉しそうな笑みを浮かべながら、俺の腕をグイグイ引いていくその姿は、やっぱり“幼稚園児”に近いものを感じる。
観覧車は絶対に混んでる。
そう思ってたんだけど実際そうでも無くて…意外に簡単に乗れた。
乗れた…んだけど、
「何でそっち?」
俺の反対側に愛梨は満足げに座っている。
何で反対側?
…普通は隣に座るんじゃ?
「だ、…だって、片寄るじゃん!」
多分…
揺れるのが怖いとか、そういう安全面を考えた結果なのかもしれない、けど。
「つまんない」
「…そんなこと、言ったって…っ」
…あれ?
でも、もしかしたら。
「恥ずかしいの?…もしかして、愛梨」
すると真っ赤に染まった頬で反論しようと立ち上がる、…だけど観覧車が揺れて、そのまま急ぐように座り直した。
「…っ!?…ち、ちが、う!」
その姿は焦ってる。
だからやっぱり面白い。