君は僕のもの 【続】
あー、でも分かるかも。
観覧車って密室だし…そこそこいつもよりは、緊張っていうのをするかも。
少しね。
「へぇ…、でもこのまま離れてたら…」
窓の外から夜空を見上げつつも、
視線をチラリ、と僅かに愛梨に向けてみる。
「着いちゃうよ?」
人差し指を天井に向ける。
確か前に愛梨が言ってた雑誌に纏わる話し。
それって、一番上の場所でキス。
するってヤツでしょう?
そうすれば愛梨は俺に対して物欲しそうな、そんな表情を向けてくる。
だけど、
「…そんな顔したって、…駄目だよ」
組んでいた足を戻して、悪戯に微笑む。
つくづく俺は性格が悪いらしい。
困って、照れて。
そんなたくさんの表情を見せる愛梨を見ているのが、たまらなく楽しくてしょうがないから。