君は僕のもの 【続】




あー、でも分かるかも。


観覧車って密室だし…そこそこいつもよりは、緊張っていうのをするかも。


少しね。


「へぇ…、でもこのまま離れてたら…」


窓の外から夜空を見上げつつも、

視線をチラリ、と僅かに愛梨に向けてみる。


「着いちゃうよ?」

人差し指を天井に向ける。



確か前に愛梨が言ってた雑誌に纏わる話し。

それって、一番上の場所でキス。


するってヤツでしょう?


そうすれば愛梨は俺に対して物欲しそうな、そんな表情を向けてくる。

だけど、

「…そんな顔したって、…駄目だよ」

組んでいた足を戻して、悪戯に微笑む。


つくづく俺は性格が悪いらしい。



困って、照れて。

そんなたくさんの表情を見せる愛梨を見ているのが、たまらなく楽しくてしょうがないから。


< 142 / 425 >

この作品をシェア

pagetop