君は僕のもの 【続】




視線を窓の外に向けてみたり、
俺の目を見たかと思えば逸らしたり、ソワソワしたり。

どうやら落ち着かない様子。


「もうすぐ着くね」

クスッと小さく笑いながらも、愛梨の目をジッと見つめてみる。


ふと隣の壁を見てみると“ハートマーク”ばっかの張り紙があった。

内容は…

紛れもなく愛梨が言っていた、
『観覧車が一番上に来たときにキスをした恋人同士はずっと一緒にいられる』というもので。


女って…好きだよなぁ、こういう謎な言い伝え。

とか、思ったり。


「…愛梨?」

ワザとらしく名前を呼ぶ。


そうすれば、少し眉尻を下げて、

「樹の…意地悪。」

と上目遣いで言ってみせた。


本当にさ、…そういうの自覚してるのかな?

“そういう顔”


してるって自覚…無いだろうな。


そう考えるとやっぱりコイツから目を離すのは、本当に危険そうな気がする。


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