君は僕のもの 【続】
…愛梨side




「樹の…意地悪。」

上手く樹の顔を見ることが出来なくって、少し俯いた状態から見上げてそう言った。


すると少し不機嫌そうな顔をして、

「そういう顔」

ズイッと顔をあたしに近付けて迫って来たかと思えば…ジッと少し斜め上の角度から、あたしのことを見つめる。

その大きな目と、澄んだ瞳があたしの心を掴む。


それでもって、掴んで離してくれない。

でも、もしかしたら…あたしがしがみ付いて離れない、のかもしれないね。


「…?」


樹の言う言葉の意味があまり分からなくて、

頭の上に疑問符が浮かぶ。


そしてふと気が付いた時には、あたしの目の前で樹が膝を立ててて…


「俺以外にしないで?」

上からだった筈の視線が下から。


上目遣いで、いつも大人びた少し熱のある色っぽい視線を向けていた樹にしては、

まるで子供が何かを強請る様な目。


…俺以外に、しないで?



何を…?


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