君は僕のもの 【続】
初めの頃はこの樹のキスに堪えるだけで精一杯で、
このまま息が止まって死んでしまうんじゃないかって何度も何度も思ったけど…
今のあたしは死ぬ、までは行かないけど。
…とりあえずは堪えられてるの、かな?
長い長い、深い口付けが終わり。
銀色の長細い糸がプツンと切れる、…瞬間、樹の表情が見えて胸がキュッとした。
「だけど…」
ポツリとそう言った樹は、優しくあたしの頬に手を添えて、
「許さないよ?…他の男のにそんな顔したりしたら」
ニヤリと笑って見せたはものの、
どうやらその“許さないよ?”とい言葉にはかなりの重みがあったみたい…
けど今はそんなことを真剣に考えられる程、あたしの思考回路は優れていない。
さっきの樹からのキスを受け止めることに精一杯で…何しろ、その樹からのキスはもうあたしに『考える』ということすらも上手くさせてくれない。
本当に、酔っちゃったみたい…?
「し、…しないよ」
何も考えることも出来ず、とりあえずコクンと縦に頷いてからそう言う。
そうすれば満足気な樹の顔。
「まぁ、俺がさせないけどね」
そんなまだボーっとしたままの、少し微熱なあたしの隣に樹は座と、
チラリ。視線をあたしに向ける。