君は僕のもの 【続】




「ねぇ翔太…?
変なこと言ったのって何処のどなた??」

ニコニコと笑いながらそう言う美菜は、
少し…よりもかなり怖い。


「…さ、さぁ?」

目を泳がせながらも曖昧に言うのは、きっとあたし同様に恐怖を抱いてるんだよね…


可哀想に、本当。


何だかんだ昔から今まで翔太くんは常に美菜の尻に敷かれている感じで、まぁ考えてみるとあたしと樹みたいな感じのような気がしない??

うん…するかも。



「あたしの言った事は正論で一般論!!…翔太、何か知らないわけ??矢上のこととか」

美菜がそう聞いた瞬間。


翔太くんの表情が少しばかり曇ったような気がした、

どうしたんだろう…??


もしかして、翔太くん何か知ってるの?


「別に…?知らないけど」

何か、隠してる…だって声のトーンがおかしいもん!!


「嘘だっ!アンタ何か知ってんでしょ!?!?」

つかさず美菜の攻めの攻撃が飛ぶ。


「知ってるなら…教えて?」

「…イヤッ、まぁ…その…うん。」


脈大有りじゃないの。



「愛梨が可哀想だと…「翔太」」


そんな時。

美菜の声を遮るようにして聞こえたのは…



「樹…っ」

トクンと心が跳ねるのが分かった。



「あ、樹!!」

翔太くんは助かったって感じの顔をすると樹に促されるままに一緒に何処かへ行ってしまった。


『まだ話は終わって無いんだけど!』と不服そうな美菜は頬を膨らませてご立腹。


それよりもあたしは。

樹があたしに目を合わせてくれなかった事が何だか哀しかったの。


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