君は僕のもの 【続】
そんな俺の声を聞いてビクッと分かりやすい反応をするのは愛梨。
でもそういう反応が逆にムカつく。
「……い、い…いぃっ!!」
い?
…あぁ、“樹”って言いたかったのね。
と何となく頭の中で解釈。
だけどその振り返った愛梨の目が泳いでいるのが気になる、…何か疾しいことでもあるの?
もしあったとしたら……許さない。
とか思いつつ。
するとその後の男が俺を見て言う。
「あ?…誰、コイツ」
何この男。
顎で指すなよ、…何様?
ウザい、こいつのこの態度。…翔太より苛々する、例えるなら翔太の10倍。
…だけど。
その問いに対しての愛梨の反応は違う意味で許せない。
「…か」
「か?」
「か…かれ、「彼氏」」
挙動不審な愛梨の態度が気にくわなくて自分からそう言う。
するとニヤリ。あのムカつく男は笑った。