君は僕のもの 【続】




「どうするかぁ…」

ハァッと深い溜め息が零れる。



「何かまた美菜が余計な知識をまた愛ちゃんに与えてしまったみたいで…
本当、申し訳ないね」

そしていつもこう、余計なことをしてくれるのはコイツの彼女で愛梨が一番仲の良い早川。

迷惑だ。はっきり言ってしまえばかなり。


余計な知識ばっかを愛梨に与えてくるから…本当に傍迷惑。


「いいよ、別に。
…今回は俺が悪いのかもしんないし」

「んなこと無いだろ??…お前は愛ちゃんの為にやってんだからさ」

「まぁ、ね」


そうだ。

今回の事の発端はあることが始まりで。


てっきり俺はそんなこと愛梨には分かってしまうかと思ってたんだけど、これはとんだ計算違いだったのかもしんないな。



「バイト、順調なの?」

俺の事は見ずに空を見上げたまま翔太は言う。


まぁ…順調と言えば順調なのかもしんないけど、別に深い気持ちはないから。


「普通」

と答えておいた。


すると翔太はそっかそっかと笑ってみせて。



今月の11月26日は誰かさんの誕生日。

だから今月に入ってから俺は短期のアルバイトを翔太に紹介してもらってやってるわけ。


目的なんて聞くまでもなく一つでしょう?



なのに俺は今、全くと言っていいほどに愛梨に信用されていないらしい。


きっと俺が浮気をしてるとか。

自分のことをもう好きじゃなくなったとか…?



そんなくだらないことばっか考えてんだろうな。

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