君は僕のもの 【続】
大体この俺が人の為に何かをするなんてそんな面倒なこと。
当てはまる相手なんて考えるまでも無く一人しかいないだろうが。
少しは信用しろっつーの。
と、何故か苛つく俺。
「愛ちゃんの誕生日まであと一週間くらいあるよなぁ~
…今日、お前バイトないんだろ??話してみた方がいいんじゃねぇの?」
確かに。
このままだと更に状況は悪化。
でも、俺がバイトしてるなんて言えばアイツは確実に来たいと言うよな。
これは命賭けてもいいくらい。100%の確立で言ってくると思う。
「はぁ…」
苛々してくる。
そして俺が出した結論は何かというと…
このまま何も言わずに実行。
それで今日はとりあえず状況を更に悪化させない為、どうにか愛梨の機嫌を戻さなくてはと考えた。
しかし。
「…。」
帰りの前に昼があることを忘れてた俺は再びの計算ミス。
確か俺、朝…
思い出してまたどんどん苛々し出す。何か今回は俺の思ったように上手くいかない。
「何か喋れば」
では無く、『何か喋って』と言いたいんだと思う。俺自身。
「…怒ってる、でしょ?」
チラリと俺を見上げるようにして言うと、目があった瞬間に違う方向に視線を逸らす。
いや、怒ってたわけじゃない。んだけど。
「怒ってないよ」
「本当…に?」
でた。
愛梨のクドイ性格。
「ん」
「本当に本当「うん」」
愛梨がそう口にする前にいつも出すより大きな声で言葉を遮る。