君は僕のもの 【続】



廊下を駆け抜けて教室に戻る。


見渡す限り、…教室にはその白井、って人の姿は無くって、

どこに行ったんだろう……?


「…あの、その…白井、くんのがどこに行ったか知ってる?」

そう思ってあの人と席が近い男子に声を掛ける。


少し考える素振りをして、…するとその男子の隣の人が言った。


「あー、あの転校生なら…
さっきあっち向かって歩いてくの見えたけど」

そう言って彼が指差した方向に視線を向けてみれば、

それはあまり人が立ち入らないような資料とか…色んな授業で使う道具が置いてある場所だった。


何しに…?

不審な気持ちを抱きながらも、とりあえずその男子に『ありがとう』と一言だけ言って、そのまま教室を飛び出す。


ずーっと奥の方まで来れば、もう生徒の姿はあまり見ない。

そして今あたしの目の前の一番端っこにあるこの教室のドアが少しばかり開いている。


鍵…閉まってた筈なのに、


トクン…っ、少し震える手を抑える様にしてドアに手を伸ばす。

そしてその指先がドアに触れた。


その時だった……。



─グイッ!



っ?!?!


急に視界がグラつき、目の前にはドアが立ち塞がってた筈なのに、そのドアはもう無くて…

目の前には見慣れた制服があった。


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