君は僕のもの 【続】
そして甘い匂いに包まれて、今…この瞬間、自分の侵されてる状況を把握する。
「…あ、…ちょっ!」
そんなことを言ってる間に、あたしは教室の中へと引きずり込まれ、
カチッ…
虚しく響いたのは何の音?
身を捩る様にして、腕の中から逃げる。
「どういうつもり…!?」
あたしにしては強気な感じでそう言うと、出来る限りの強がりでキッと睨みつけてやった。
けど…
「ふふふっ、…愛梨ってさぁ、本当はそんなに強い性格じゃないっしょ?」
片手に煙草を持ち、フゥッと天井に向かって白い煙を吐き出した。
…臭いっ、
顔を顰めながらその、白井くんを見ると。
「あ、もしかしてアンタ煙草ダメなの?」
と顔を覗き込むようにして言う。
「嫌い」
「ふーん、じゃぁ今は止めとくわ」
そう言ってその煙草を床に落とすと、足でグリグリと踏み潰した。
「…ここ、室内だよ?」
大体そういう煙草とかがあたしは好きじゃないし…
それにこういう室内で、しかも教室内で煙草を吸って、それでもって床に捨てちゃうなんて…こういう人、
あたし、一番好きじゃない。