君は僕のもの 【続】
弱々なあたしだけど…、樹から貰ったあの大切な指輪のためだったら、強気にだってなるし、頑張るもん…っ!!
それだけ、大事なんだもん…。
「そんなに大切?」
不敵に笑うその口元が何だか嫌で、少し目の横を見る様にしてあたしは見上げる。
「…大切、…大切に決まってるじゃない!」
キッと睨みつける様にして言うと、その顎を掴む手を振り払うように顔を背けた。
その時不意に、白井くんが自分の首に掛けてるチェーンをあたしの目の前にチラつかせて見せた。
それが目に止まった時…。
あたしの身体がまるで石になってしまったかのように、…硬く固まる。
「そ、それ……っ!!」
無意識のうちに背伸びをして、その彼の首元に掛かるリングを手にしようとする。
だけどあたしよりも背の高い彼に届くは筈もなく。
まるであたしは遊ばれてるみたいに、扱われてしまうから…
「そこそこの値段でしょ?コレ。
…けど、俺ならもっと良いやつプレゼントしてやるけど?ブランドとか…?」
口角を吊り上げて笑い。
首からそのチェーンを取ると、
まるであたしを動物だと思ってるのか、チラチラとチラつかせて…ワザと取れない位置に持っていく。
「返してぇ…っ……返して!!」
だんだんとぼやける視界を手で擦り、そのまま手を伸ばす。