君は僕のもの 【続】
でもきっとそれは仕方ないことで。
うん……、そうだね。
ふと視線を動かせば視線が三人と重なって、更に苛立ちが増える。
そもそも俺は一体なにに苛立っているんだろうか…?どうしてこんなに不機嫌になってるわけ?
いつもならもっと、余裕。あったんじゃないの?
そう思うとどうも腹の中がめちゃくちゃになりそうで、
「知らない」
と棒読みで吐き捨てるように言った。
すると…、しばらくの沈黙がこの屋上の空気を包み込む。
「あ、あぁぁーっ!!」
…っ!?!?
今度は、何……?
急な叫び声、言うならば“奇声”ってやつ。
「どうした!?」
さすがに驚いたのか…翔太が目を真ん丸くさせてそう言った。
隣にいる早川も同じように驚いた様子で、同じく俺も顔には出さないけど、内心かなりこの突然行動に驚かされてる。
けど、そんな声も届いてないのか。
愛梨は黙ったまま何かをひたすら考えてるような感じ…?
すると急に顔を上げて、
「ごめん!…ちょっとあたし行ってくる!」
急にそんなことを言うと、俺たちを見ることもなくその場を去って行った。
え…?なんなの?
「愛ちゃん…どうしたんだろう?
美菜、何か知ってる?」
不思議そうに翔太が早川の顔をチラッと見てから言って、さりげなく翔太と同じく、その答えを俺も待ってたりする。