君は僕のもの 【続】




「それより…!次の時間やっと席替えするんだって!!」

と、結局そっちの話のがメインなんだ。

とか思う。


でも入学してから今まで一度も席替えが無かったから…まぁ、良いといえばいいけど。この席も好きだったんだけどな。

そう思ってふと机に視線を配ってから、目の前の愛梨を見る。


「…席替えしたかったんだ?」

そうすると嬉しそうに頷く。


「うん!」

「誰と隣が良いの?」

試しに聞いてみた、というか気になったというか。


すると少し俺から視線を外して顔を背ける。

……ん?


「愛梨」

呼べばこっちを見て少し柔らかく微笑む、けどその頬はほんのりと赤い。


愛梨のこういう所はやっぱりどんなに時間が経っても変わらないんだろうな…って思う。

前はもうちょっと、って…そう思ってたけど今はこういう愛梨のが新鮮な気がする気がするし、無意識に口元が緩む。


やっぱりこういう愛梨が好きだ。


「い…樹に、決まってるじゃん!!」

プイッと顔を逸らすと、照れ隠しなのかそんな口調。


「へぇ…?」

そんな愛梨を上から見下ろして舐める様に見る。

するともっと愛梨の顔は赤くなって、少し熱っぽい瞳を見てグッと少し堪える。


きっと無自覚だからこういう顔。


本当、性質悪い…

額に手を当てて顔を顰めれば『どうしたの?』って、…分かってないから本当に、放っておけない。


すぐ変なの引っ掛かるからね、この人は。


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