君は僕のもの 【続】
多分この手の話は“金持ち”と“貧乏”説。
もしくは“お嬢様”と“不良の変態”説。
このどっちかだと、思う。
変態っていうのは俺の勝手な私情で入れただけであって、実際どうかは知らないけど…多分それに当てはまると思う。
「おっ!さすが王子、冷めてるわりに結構そういうのに敏感」
…だから、
「俺は王子じゃ無い」
と言ってはみたものの、まるで右のから左へと耳を通して出て行ってるように見える。
馬鹿だな。
絶対にコイツは頭が悪い。
「ねぇ!樹、教えて!!」
と今度はまだそのことを考えてる愛梨。
「嫌だ」
けどまだ愛梨に対しての鬱憤が晴れない為、こんな態度になるわけだ。
「暁の家ってそんなに裕福って訳じゃ無かったんだよね、つっても一般家庭?」
ホラやっぱり。
これは“金持ち”と“貧乏”説が当たりかも。
「つまりそれは…格差の、問題ですか?」
何でお前がそんな悲しそうな顔をするんだろうか…
それよりも愛梨が『格差』なんて言葉を言えた事に、少しだけ関心と驚きを感じるくらいだよ。
「それもあるんだろうけど…
ちょっと暁って柄が悪いっていうかさ?そこの人みたいな一匹狼みたいな奴でさ」
…そこの人。
「なるほど……」
納得するんだ。
じゃぁ“金持ちのお嬢様”と“一般家庭の不良の変態”が正しい答え?
自分の心の声といつもの俺を比べて、少しの…若干大きなギャップを感じつつも、ボーっと再び空を見上げてみた。