君は僕のもの 【続】




「あのさぁ…?せっかく俺と愛梨が仲良くやってたのに邪魔すんなよ」

相変わらず態度は変わらない白井くん。


「……、」

それでも黙ったまま冷たい視線を彼に向ける樹。


普通の男の子なら怒って、すぐに手を出したり…そんなことばっかなんだろうけど、樹のこの冷静さと大人びた感じ。

やっぱり……不思議。


「…お前、愛梨と喧嘩でもしたんだろ?それとももう別れた??」


けど白井くんも。

すごく損してるんじゃないか…な?


きっと本当は少し捻くれてるだけで、もっともっと違う顔があるんじゃないか…?そう思えてならない。

本当の自分を隠して、隠してる。

そう思えて、ならないよ。


…だけど。


「別れてないよ…っ」

何も言わずに白井くんを見つめる樹に痺れを切らして。あたしは小さくも詰まる言葉を押しだして言った。


消えるような、蚊の鳴くような…そんな声。


「だって」

それに続く様に樹は言う。


『だって』って、一言だけ…!?

そう思いつつも何だか下がった気分のせいで口が固まる。


「んだよ、つまんねぇな…」

何でそんな態度ばかり取るんだろうって思うほどダラけた態度。


でもその態度も次の樹の一言で一変した訳で、


「お前の相手はコイツじゃないんじゃないの?」




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