君は僕のもの 【続】




「けど関係ある」

と矛盾の言葉を並べてみれば、奴は表情を歪めていかにも苛立ちを増したような顔をする。


「お前…いい加減にしろよ?」

擦れた声で言うと、更に力を強める。

それに対して俺は自分の襟を掴む腕を押さえる様に、手を伸ばした。


手首を力強くグッと掴んでみれば、奴の顔はみるみる変化して…いかにも。って感じ。


「アンタがどうなろうと関係無いんだよ実際は」

そのままその手に力を加えて自分からその手を離す。


そしてそのまま一気に俺が殴られた場所と同じ場所目掛けて握り拳を向かわせる。



─バコッ!!


「……くっ…!?」

殴られた反動で奴はよろめき、地面につく。


「仕返し」

小さくだけ見下ろしながら微笑。


口元を掌の甲で押さえながら滲む赤黒い地を口から吐き出した。


「だけどコイツのちょっかい出すんなら、話は別」

目だけで愛梨を見てから言う。


「…っ……は…?」

目を細め少しだけ苦しそうな顔をして言った。


「似てるんだかなんだか…知らないけど、アンタが想う人間は世界で一人でしょ?」

淡々と言葉を並べながら、近くのフェンスまで行ってゆっくりと身体を預ける様にして寄り掛かる。


そうすれば少しだけ楽になる。


「そういうのなんて言うか知ってる?」

「……。」

さっき言った言葉からアイツは何か考える様に黙り込んで、


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