君は僕のもの 【続】




そう考えると…あげない方がいいのかな、なんて。


「どうしよ、っかなぁ…」

樹に引っ張られて少しあたしの掛けるタオルケットとかが少なくなって、それを軽く引っ張りながら小さく呟く。


それにあげても。


『いらない』


……。

ありえそうだよねぇ。


「一個だけ」

小さく溜め息を吐いてから、天井を眺めていると急に声が聞こえて。


驚いたあたしはその方向に一瞬で身体を向けて。


「……樹っ!?」

「ん…、声デカイ。」

ゴロンと寝返りを打ってあたしの方を見ると、嫌そうに顔を顰めながら耳を塞いだ。


寝癖でいつも以上に無造作になってるその柔らかな髪が。

フワフワしてて、
何かすっごく可愛い……


っと、危ない!!


「お、起きてたの?」

「…ん」

微かに縦に頷くと、伸びた前髪を掻き上げて横目であたしをチラリ。


「『貰ってくれるのかな』『どうしよっかなぁ』」

と小馬鹿にするように笑いながら繰り返して言う。


「なっ!?…なんだよぉ……」

独り事を聞かれるってのは恥ずかしいもので、カァーッとあたしの顔は熱くなって思った通りの反応。


樹っていつもこういうのばっか!!


ズルイズルイ!!!

ムッとしながらあたしの目の行き場は空中浮遊。


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