君は僕のもの 【続】




「さっきも言ったけど……

一個だけなら貰ってあげてもいいよ」


クスッと笑いながら、何だかちょっと機嫌が好さそうに樹は柔らかな余裕な笑みを浮かべると、

目だけであたしに言葉を求めてるみたいだった。


…っ?

一個だけ、って……??


「でも…樹はたくさん貰うから、え?どういう意味?」

すっからかんのこの頭じゃ分かんないし。

それにこういう突然行動。かつ突然発言には本当にいつも悩まされるもんだよぉ。


「頭悪いね」

見下すような皮肉は、やっぱりいつもに比べたら嬉しそうな…ちょっと機嫌が良いような気もする。


「…機嫌良い、」

「興味の無い女に貰ったって、俺なんとも思わない。」


ボソッと言ったあたしの言葉は幸い樹には聞こえなかったみたいで。


命拾い…?


それより樹のいう“興味の無い女”って?

うーん……
やっぱり考えれば考えるほどに答えら遠ざかっていくように感じる。


そしたらあたしは興味の無い女!?

いやいや、まっさかぁ~……



……。



いや、あり得る。

樹ならそう考えないことも無い。


え、え、え?…あたし一応は彼女だよね??だよね?


だんだんと頭の中のテンパり具合が半端無くなって、頭を両手で抱える様に何度も髪をクシャクシャ。



「百面相」

それにボソッと樹が鼻で笑いながら言った。


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