君は僕のもの 【続】




こういうのって…

結構恥ずかしいんだね。


とか渋々思いながら周りにぶつからない様にカゴを持ちながら進んでいく。

…何か今日の俺って、ダサい。いや、むしろ心の中での語りがいつも以上に長ったらしいような気もしない訳でもない。


何なんだ?


「…ホラッ!!これこれーっ!」

愛梨の側まで行くと嬉しそうに手に持つ…変な物を俺に見せつける。


ナニ…これ。

「は?」

気持ちがそのまま言葉になったって感じで、いかにもって反応。


右にはマヨネーズのようなもの。左には…パンツ。

「こういうのって面白いよねっ」

ニコニコ笑いながら、『コレも』とたくさんの意味深チョコを俺に見せ続けてくる、…訳分かんない。


そもそもこういうのって何なの?
バレンタインってバラエティー的な要素とか含んじゃってる訳?


「何がしたい訳?」

真顔でそ言う俺をムッと口を膨らませた愛梨が見つめる。


「面白いから…樹にも見せてあげようかなって……思ったんだもん!」

とか、


何かいつもと違う感じ。


「ていうか樹ってさ…『何とかな“訳”』って良く言うよね?」

今度はクスクスと笑いながら俺に言うと、持ってたその意味不明なチョコ共をもとあった棚に並べて戻した。


けど言われてみれば確かに俺ってそういう口癖あるかもしれない……


「あっそ」

「あ!認めたんだっ!!」

「別に…」

「ふーん」


……何なんだ?


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