君は僕のもの 【続】




ボーっとしすぎたのか…何なのか……

俺の手はマルっきりすっからかん。


気が付けばバタンとドアの閉まる音が聞こえて…



シーン。。。

「…え、何」

急に一人ポツンと取り残されて最終的な捨て台詞が『ば、ば、ばばーい…!!!』って、どうなの。


いいの?

まぁどうでもいいけど…。


とりあえずこのままここに居る意味も無いし、隣の家の玄関に行ってドアを…

ドアを……


「……っ」

開かないんだけど。


あ、今日の朝『今日は鍵持ってってね』とか言ってたような気がする。

重く深い溜め息が零れてから、チラッと隣の愛梨の家を見るけど、あの様子じゃ何か出て来なそう…家から。

とか思う訳で。


「どうしよ」

ポツリと呟いてから、自然に足が動いて。


自分の中で勝手に“散歩”をしようって結論に達したらしくて…そのまま適当に歩く。


ボーっと歩いてから少しすると、もうちょっと家から離れた公園まで俺は来てたみたいで、どうせならって感じで公園の中のベンチに座る。

やっぱり今日。
独り事多いな……俺。


「…寒い」

ボソッと呟いてから、ハァーッと息を吐くと白くて、冬は嫌だって切実に思ったりする。


やっぱり何か変、俺。

そう思いながら目を瞑ってボーっと時間を潰していると……



「お前って暇なんだな~」


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