君は僕のもの 【続】




美菜に緊急会議とか言われて勢いで入った喫茶店。

何か初めて来るかも…



「何名様ですか?」

そそくさとあたし達に気が付いたウェトレスの女の人がそう優しい微笑みを向けてくれた。


この人…!!

背も高くて美人で凄く綺麗、何だかモデルさんみたいで…憧れちゃうな。
なんて、あたしには程遠いけど。


隣で美菜がピースサインをして『二人です』と口にしているのを見て、一瞬我に帰る。…何か本当羨ましいかも、

そんな想いを抱えつつ案内された席まで歩く。




「…で、どうすんの??」

とりあえずドリンクバーを頼んでおいてそんな質問を投げかけられてしまったあたし。


どうも何と答えていいのか分からない…

だからりんごジュースをググッと飲み干すような勢いで口の中に流し込む。


少し空腹だったからかな?身体の中がスーッとりんごジュースの冷たさで満たされたような感覚になった。



「うーん…でも樹は、そんなこと…しないと、思うよ?」


うん。これは何よりの確信に近いモノ。

…な、筈なんだけど。やっぱり少しも不安がないかと言えばそれは嘘になる。でも、自分が好きになった人の事はやっぱりやっぱり…信じたいよ。


「どーだか」

「…だから、もう!」

確実に美菜…樹のこと疑ってるんじゃん!!


樹は…そんなこと、しないもん。

きっときっとしないもん、



「…ねぇねぇっ!!
あの人めっちゃ格好良くないっ!?」

あたし達の隣の席の女の子達がそんなことを言ってキャーキャー騒ぎだす。


ふと周りを見渡すと、…結構な女性客は“ある人”を見ているようで、別に…下心とかじゃないけどさ?


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