君は僕のもの 【続】
「あ、…樹!おはようっ!!」
「……うん…」
妙に目覚めが悪いのは何のせいなのか、ベッドの中に意識を置いてきたような気がする。
分んないけど……
「あれ?何か眠そうだね」
若干、下を向いたままコクンと縦に頷くと、そんな俺の顔を覗き込むように愛梨がジーッと熱い視線を向けてくる。
…ん、?
「何」
フアァッ…と、
長ったらしい欠伸で少しだけ涙目になりながら横目で見る。
「ううん?
…でも何か寝ぼけた樹って可愛くって」
口元を手で覆ってクスクスと笑う愛梨。
ん?ん、ん?
……やっぱり昨日から何かがおかしい。
「可愛くないんだけど」
だけどそこが許せない。
「可愛いもん!」
何か嬉しそうにニヤニヤ、ニタニタ笑う愛梨…
「愛梨さ…」
少しだけ眉を寄せて俺がそう言うと、
やっぱり何かを隠すみたいに焦った表情をして俺の腕を掴むと歩き出す。
「…ちょ、っ」
グイグイと引かれてそのまま引きずられる様に俺は前に進んでいく。
「ねぇ」
そう言いながらも片手は掴まれて前に引かれてて、何か傍から見たら俺が連れてってもらってるみたいな感じ……
「ねぇ、……何か隠して…っ「わぁ!小鳥が鳴いてるー」」
……。