君は僕のもの 【続】
今日って何日…?
そう思って咄嗟に携帯をポケットから引きずり出してスライドのディスプレイを覗く。
「…あ」
ポカンと口を開けたまま間抜けな顔をする俺を、愛梨は更に不機嫌そうな顔で見て、それを翔太は面白そうに笑いながら見てる。
隣には早川もいたりして…
「ねぇ、矢上くん…プレゼント、受け取って?」
「一生懸命…作ったから!!」
“作った”?
ピクッと俺の耳は反応して、その女の手元を見ると。
ちょっと待って。
不意に隣の愛梨に視線を送ればプイッと逸らされてしまう。
「……。」
黙ったまま俺はそのピンクの可愛らしい袋?包み?をボーっと。というかジーッと見つめる。
これって、チョコじゃないの…?
間違って無いかな、これはちょっと違うんじゃないか。と。
「バレンタイン…他にもいっぱい貰うかなって思って……」
今度はそう言った女子の手には、若干デカい…ケーキを入れる箱みたいなの。
「それ、何…?」
嫌な予感のせいで思わず口から言葉が出ると。
その集団は驚いたように俺に更に更に何倍も強い視線を向ける。
…えっ、何。
「初めて……っ…初めて話してくれたぁ…」
急に手で顔を覆ったと思えば、今度は泣きだすし。
何なの?
そう思ってもう一度隣に顔を向けてみたけど……
何故か愛梨はご立腹みたいだ。