君は僕のもの 【続】
だけどやっぱり愛梨は期待通りの反応をしてくれる訳だ。
「…あ、あた……し」
消え入るような小さな声で、自信無さ気に愛梨は言う。
どうしていっつもそう…自分に自信を持たないというかなんというか、何なんだろう?
とにかく。
「愛梨は俺の彼女でしょ?」
そうそう、俺はそう言いたかったんだよね。
けど意味が分からないというような顔をして愛梨は腕の中で俺の顔をジッと見つめて、キョトンとする。
……。
「前にも言ったような気がするけどさ、…もっと堂々としてよ」
「堂々と、って……言っても…さ?」
そんな泣きそうな顔で俺を見ないでよって感じ。
「愛梨は特別でしょ?」
愛梨の腰に腕を回してた俺は、その腕を上へ上げて愛梨の肩に掛けると、覗き込むように少し顔を傾けて見つめる。
そうすればそれだけで愛梨は顔が真っ赤になる。
……小動物。
「分ってよね、言わなくたって。俺は愛梨にしか興味無いの、だから愛梨以外の女に何をされても何とも思わない」
ここまで言わすんだ。
って言っても勝手に言ったのは俺だけど。
愛梨は頭が悪い…上に、天才的な鈍感な性格の持ち主らしくて、
こうやってちゃんと言葉にしなきゃ全くと言って何も理解してもらえない。
「だから周りなんか気にしないで。
そんな暇があったら、……俺のこと気にしてて」
耳元にスッと近付いて、ワザとらしく囁く。