君は僕のもの 【続】
そうやってすぐ俺の言葉、行動一つで顔を赤らめるその顔が好き。
「…うん……」
コクンと頷いて、俺の身体にくっつくようにギュウッと抱き付いてくる。
そんな愛梨を俺は同じように抱き締める。
頬を頭にすり寄せる様にして、目を少し閉じればシャンプーの香りがフワッと俺を包んだ。
「で」
抱き締めてた腕から力を抜く。
それでもって部屋の真ん中にあるテーブルの上にある意味深な物体を俺をチラッと見てから、愛梨の方を向き直す。
「何アレ」
すぐ側にあったベッドに腰を下ろしてから、目の前にある“ケーキ”?を指差す。
………?
聞いたのに返答が無いから愛梨の方を見る。
「無視?」
じゃ、ないみたいだね。
見ればムッと口をふくらませて、“いかにも”って感じの顔をした愛梨。
怒ってる?
うん…多分そんな感じかも。
原因はきっと愛梨が一生懸命?かは謎だけど作ったケーキ?を俺が『ケーキ』では無く『物体』として捉えてしまったから。
だと思う。
「酷い!!…一生懸命、作ったのに……っ!」
やっと泣き止んだ筈なのに、また泣き出しそうになる愛梨の顔をみて、少し焦る。
出来るなら泣かないでもらいたい。
だって…泣き止むまで長いし。
「やっぱり愛梨の手作り」
だけどそのケーキをもう一度、自分の視界の中に入れた瞬間、変な笑いが込み上げてくる。