君は僕のもの 【続】
スッと指の先で輪郭をなぞる。
それだけで愛梨の身体と瞼がビクビクっと震えるから、面白い。
「嘘つき」
クスクスと笑みを零したら、その指を唇に乗せて軽く揺らす。
「…ん……っ」
「嫌なの?俺に触られるの」
暇を持て余すその片手でゆっくりと愛梨の服の中に手を忍ばせて、腹の辺りを妖しく指でなぞる。
─…ビクッ……
「いつ、き…ぃ…」
眉を寄せて身体を捩じって、薄く開いたその淡く潤んだ透明な瞳が俺のことを微かに捉えている。
……こういう時の愛梨は、
妙に色っぽい。
きっと本人自覚無しなんだろうけど。
「何?」
ニヤッと口元が笑う。
それでもワザとらしい手つきがスルスルと服の中を動き回って、逆の手の指は何度も唇の形をなぞる様に触れてる。
厭らしい娘…。
「ん…ー」
「嫌、なんでしょ?」
どうしてこんなに俺は分かってて、こういうことを愛梨にするのか…
どうして愛梨を見ると苛めたい衝動に駆られるのか。
本当、現実問題そこら辺は凄く謎。
きっとまた『そんなことない』って…そういうことを言うんだろうな。
そう思ってクスリと微笑。
だけど……
「う、…ううん」
愛梨は顔を真っ赤にして首を振った。