君は僕のもの 【続】
最終章 言葉の魔法

キケンな手紙

…樹side




俺の誕生日も過ぎて、はや3日。


ケーキやら飾り付けやらそういうのを準備して俺の為に色々考えててくれたらしい。

とは言うもののそのケーキの大半を平らげたのは他でもない、桐島愛梨という女子であって俺の誕生日を祝ってくれてる筈の彼女。



まぁ…そこら辺はあまり考えないようにした方がいいね。


せっかくのアレが台無しになるし。



だけどここで考えてみよう。




…俺の誕生日から今3日という時間が過ぎてる訳。


10日+3日。

馬鹿でもなければこの計算は出来ると思うんだけど……、



「明日はとうとうバレンタイーーーン!!!」

ニヤニヤと緩みまくってる顔を俺に見せて、いつも通りベタベタとくっつくこの男。


いい加減この癖を直して欲しい……


「気持ち悪い」

「ひっどぉーい!」

とか言う割に顔のニヤつきは変わらない。


「本当にキモいから…」

けど早川がボソッと言ったその瞬間、

その小さな呟きにはかなりの影響力があるらしくて…、翔太は急にさっきのニヤつきから傷ついたような顔をした。


さすが…


そんな翔太を見ながら楽しそうに微笑んで、菓子パンを食べてる愛梨。


「美味しい?」

コイツが食べるものは大抵美味しそうに見える。


これも不思議と。


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