君は僕のもの 【続】
俺の肩を早川がバシバシと叩きながら、若干大きな声で言った。
「確かに…!!もしも学校があったら樹……追いかけ回されて夜も眠れなくなっちゃいそうだもんね」
うんうん。と頷きながらも菓子パンを食べる。
夜も眠れないって…少し大げさすぎる様な気も、するんだけど。
だけど、妙に『そんなことは無い』って言いきることが出来ないのは…果たして、一体何故だろうか?
……。
「本当、いっちゃんは昔からモッテモテ〜だね?」
「…別に」
「ワァオ!!!very cool!」
ベタベタくっ付く癖ともう一つ。
何かと言葉の中に国際的要素を含む癖も止めてもらいたいかも。
「で、明日はどうすんの?やっぱり二人で、あま〜く過ごすんでしょ?」
足を組み替えて早川は言うと、
子供みたいにジッとしてられない翔太の手首を掴んでその動きを制した。
けど聞かれてみれば…明日がバレンタインとかいう日で。
だからって愛梨には別に何も言われてないような……
そう思ってチラッと愛梨に視線を移す。
「え…っ!?……あ、…その…」
駄目だ。
「分んない」
こういう話題に弱いもんで、早川の方に向き直してから俺はそう言った。
何でこういう時に照れるのか。
…分かんない、本当そこら辺が俺には分からない。
「愛ちゃんは照れ屋さんなんだもんねー?」
「…て?!照れ屋…さん……?」
ついさっきまで早川に捕獲されてた中動物、…あ、小動物と大きいのの間ね。
中動物は愛梨の目の前に何故かいたりする。