君は僕のもの 【続】
それでもその単細胞は改善の予知なし。
ていうかそれ以前の問題のような気もするけどね…
「あのねぇ!!…愛梨はおもちゃでもペットでも無いの!分かるーっ!?」
テーブルから身を乗り出したままの翔太を、グイッと引いて元の椅子に大人しく座らせると、嫌そうな顔をして言った。
ていうかそれ、俺の台詞。
「…はは~ん?
もしかして愛ちゃんばっか弄るから、妬いちゃったの?」
ニタニタと口元をだらしなく。
隠しきれない嬉しさが滲み出てくるような笑みを浮かべると、単細胞翔太は早川の腕に絡みつく様にひっついた。
「何それ!意味分かんない…」
ハァ…ッと溜め息。
早川はそのまま立ち上がると食堂から出て行ってしまった。
それを翔太がびーびー言いながら追いかける。
これも見慣れたな……
「樹も、もう少しは翔太くんに優しくしてあげればいいのに」
菓子パンの入ってた袋を綺麗に折りたたむと、平然とした顔でそんなことを言う。
「何それ」
誰のせいだと思ってるの?
……この人。
テーブルの上に置いてあったコーヒー牛乳を手にとって、少量だけ口に流し込んでから流し目で愛梨をチラリとだけ見る。
するとボケーッとした何も考えて無さそうな愛梨と目が合って。
「はぁ…」
と呆れた溜め息。