君は僕のもの 【続】
こんな所、居たくない。嫌だ。
「…え、いいの?」
「うん…」
あたしは小さくそう呟くと伝票を持ってそのままレジに歩き出す。
何かすっごい嫌だ…
あたし邪魔者みたい。あたし、…否定されてるみたい。
気にし過ぎだとか思ったりもするけどさ、でも嫌だもん…嫌なんだもん。
「…愛梨っ」
背後から聞こえた聞き覚えのある声。
「……。」
なのにその声を無視してあたしはお財布の中の小銭を手に取り、そのままその小銭をジャラッとトレイの上に乗せた。
「無視?」
知らない知らないっ!
何か何に対して腹を立ててるんだか全く分からない自分が更にムカついてきちゃって、この変なモヤモヤな気持ちを…
どうも樹にも分かってほしかったのかな?
分からないけど。
「レシートは…「いらない」」
店員の人の言葉をワザとらしく遮るとあたしはそう言って、そのまま喫茶店のドアを思い切り開いた。
「愛梨!!待ってよっ!」
美菜の声が後ろから聞こえるのを感じて、
それでもあたしは急ぎ足でその喫茶店を飛び出した。