君は僕のもの 【続】
ついこないだ愛梨は『今日で半年だよ!』とか騒いでたような気がする。
俺の記憶が正しいなら。
それに付き合ったのが5月だから…
頭の中で数字を浮かべ、指折りで数えていく。
わざわざ俺が付き合った日までを覚えてんのは…
しつこく言ってくる奴がいたから。
「半年ですね」
その夜空に向けたままの状態で俺は言った。
「へぇ〜、…でも樹が告られたんでしょう?」
余裕な笑みを浮かべて言う先輩の質問内容を聞いて、
少しばかり驚きながらも答える。
「違いますよ」
すると駒川先輩は驚いた顔をした。
俺が告られたとか告ったとか…別にそんなのどうでもいいと思う。けど。
「俺がずっと片想い?してたんで」
自分が愛梨にずっと片想いしてたのも、
好きと伝えたのも。
これもまた恥ずかしいことでもないからサラリと答える。
本当の出来事だし。
「…いつから片想いしてたの?」
微かに駒川先輩の唇は揺れているようにも見える。
「分かんないですけど、多分…相当昔ですね」
と小さく笑って俺は言葉を返した。