君は僕のもの 【続】

甘い甘い空気

…愛梨Side




『もう!電話してくんの遅すぎだしっ!!』

「…ご、ごめん……なさい…」


只今の時間はもう夜の11時30分を軽く超えてる時間帯で、もう良い子は眠りにつく時間。

いつもならあたしも寝てるんだけど……



そもそもあたしは謝る必要、あるのかな?


なんて、理不尽なことを考えては…いけないいけないと首を振って反省するの。



けど美菜に電話するなんてことあたし知らなかったし…聞かされてなかったし、それをついさっき樹からのメールで知った訳で。



【早川が電話してだって】



滅多に来ない樹からのメールに少し心が躍ったりしてて、なのに来たのはそんな短文。


まぁ短文はいつものことだから気にして無いよ?

でも、こういう大事なことをどうしてこんなに経ってから言うんだろうか……?


『どうせ王子が言い忘れたんでしょー?』

けど、どうやら美菜にはお見通しみたいだった。


「まぁ、そうなんだけど…」

それに対して何故か負け腰。


ていうか何の用事だったんだろ?

「それで……どうしたの?」


ベッドにドスンと飛びこむようにして、柔軟剤の良い香りがする枕に顔を埋めた。


んー…っ、

あたしこの香り好きかもぉ。


スリスリ……。



『どうしたのじゃないよーーっ!!チョコ一緒に作ろうって約束してたじゃんかぁぁ!!!』


う゛っ…

キーンと耳から入ってくる美菜のとてつもなく大きい声に、和んでいた気持ちが一気に崩れていった。


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