君は僕のもの 【続】
『でた。
“ネチネチアイリ”』
「ね!…ね、ねち…」
少しショックを受けたせいか言葉が続かない。
それに全部を片仮名にされたことで、微妙に言葉と言葉がマッチングしてる。
…うぅ、泣きそう。
『ネチネチ卒業して、サクサクいこーよ』
そんな、急に…サクサクだなんて、サクサク。だなんて。
それにあたしは、
きっとそこまでネチネチしてなんか、ないよ…?
そりゃぁ多少は。
「サクサク…」
けどその“サクサク”は微妙にあたしの脳裏に焼き付いた言葉だった。
微妙な小さなプチ目標?
みたいな…みたいな。
『それで何作んのよーー?』
あ、そうだ…
一応はこれ、話の最中だったんだっけ。
「うんと、ね…
生チョコかトリュフか…『ちょい待て!!』」
若干だけど照れながら言葉を続けたあたしを遮り。
『それ…決まってないじゃん!
しかも愛梨の料理の腕、微妙なんだから簡単のにしなよ』
グサグサと突き刺さる言葉の数々。
そして最後に付け加えて『材料なくなるぞー』と。
クスクス笑いながら言った。