君は僕のもの 【続】




長い長いコールの後。

その携帯の持ち主は電話に出なくて留守電になってしまった。


もう4時…だよね?


まさかまだ寝てるってことはないよね??



そんな少しの不安を抱えながら、あたしは作ったチョコを綺麗に箱に入れてラッピングすると、そのまま自分の部屋に向かった。


何着ようかな……。

うーん?と首を傾げながらハンガーに掛かったままの洋服を見て唸る。


でももしかしたら家に居ないとか…?

そしたら服を選んでる場合じゃなくなるような、そんな気がして窓からヒョイッと顔を覗かせて樹の部屋を見る。



…カーテン開いてる……。


ていうことは起きてるんだよね?


でもどうして電話に出ないんだろ…



昨日は色々不機嫌にさせちゃったけど、別れる頃にはもう仲良くなってたし…


何か少しずつ不安になってきたなぁ。

こんなことになるなら昨日のうちに約束でもしておくべきだった…ていうか普通ならするよね?


すっかりこってり忘れてたよぉ…

とあたしは頭を抱えて悩んでみる。



「…でも悩んでても仕方ない!うんっ!!!」


と、何故かこんな時はプラス思考。



最近のお気に入りの洋服を手に取って『よしっ』と心で呟いてそのまま部屋を飛び出した。


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