君は僕のもの 【続】
「それで今日は俺にチョコ持ってきてくれたの?」
と悪戯に笑みを浮かべながら響さんは言う。
…そして何故か。
あたしは響さんが前使ってて、まだそのままの状態の部屋に居る。
あ、れ…?
目的が違うような、気がするよ……??
女の子の扱いに慣れてるのか、ベッドに座ったあたしを立ったまま見下ろし。
スッと手を伸ばす。
「ち、違う…!!」
不意に触れたその指先にドクンと心臓は波打って。
カァーッと熱くなる頭と頬。
「ハハハ…ッ」
それを笑ながら見つめて『可愛い』と。
やっぱりそれにあたしはドキドキして、本来の目的を忘れそうになる。
「本当に愛梨は昔から可愛いなー。
……苛めたくなるなぁ…」
─ギシッ。
腰を屈めてあたしの耳元で囁く。
わざと吐息を掛けるあたりが、樹に似てる。
「…ちょっ……!!」
「俺のが優しいよ?…あんな冷血野郎よりね」
上に覆い被さるようにして迫ってくる響さん。
樹よりも厚い胸板をどんなに力を込めて押し返してもビクともしなくて。
首筋に近付く唇を避けるので精一杯。
てゆうかどうしてこんなことになってるのー!?!?
パニック状態で目を瞑ったその時。
「おい、変態野郎」