君は僕のもの 【続】




この二人の言い合いを見てると、何だかんだ似た者同士だな…なんて思っちゃう。


クスクスと笑ってるあたしを見て、

「何笑ってんの?」

と樹は不機嫌そうな顔をして言った。


「…う、ううん!!」

それに対して首を左右に勢い良く振ってそれを否定した。


「樹こわーい!ね?愛梨」

ふざけたように響さんは言うとあたしに抱き付いてくる。


…あ、あぁ……っ!!

やっぱり不謹慎だよぉ…あたしって……


「ちょ…あ……そ、…っ」

どんどん顔が真っ赤になって言いたいこともまともに上手く言えなくなっちゃう。


昔からどうしても響さんには何も言えなかったりするから…うぅん、相変わらずこんな響さんに困らせられる。



「オイ、日本語通じてんのかよ」

更に低くなった声にビクッと身体を強張らせていると、目の前に居た響さんはヒョイッとあたしの視界から消えた。


するともっともっと不機嫌な顔をした樹と視線が交わる。


うぅ……。


「日本人だから分かるってー、でも俺の専攻は文系だし…お前よりはよっぽどじゃ無い?」

けど確かに響さんは自他共に認めるくらいに頭が良い。


それは樹もだけど…


樹曰く。『俺とアイツはやらなくても出来んだよ』とのこと。

響さんの場合、一度聞いた事はなかなか忘れないとか何だとか…


しかもそれは女の子の名前だったりすると更に記憶力のアレが高まるらしいんだけど、そういうのはどういうものか…?


とか思ったりもするの。



すると再び二人は向かい合う。


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